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【徹底比較】外断熱VS内断熱!それぞれの工法の違いをメリットとデメリットから解説
快適な暮らしを実現する上で大きな役割を担っているのが断熱です。この断熱には、外断熱と内断熱という2種類の工法があり、住宅会社によって得意とする工法は異なります。
本記事では、外断熱と内断熱それぞれの工法の違いや、外断熱と内断熱のメリットとデメリットの違いを解説しておりますので、新築の戸建てをご検討中の方はぜひ参考にしてください。
そもそも外断熱とは?
外断熱は、外張り断熱工法とも呼ばれ、上の図のように建物の構造の外側を断熱材で包み込むように施工していく工法です。最大の特徴は、「屋根」「壁」「基礎」まで断熱材の切れ目がないため、高い断熱性や気密性を実現できることにあります。
寒冷地域を施工エリアにしている工務店や、暮らしの質にこだわる工務店が施工している場合が多く、外断熱の住宅の割合は20%程度と言われています。
外断熱のメリットとデメリット
ここでは、外断熱のメリットとデメリットをそれぞれご紹介していきます。
外断熱のメリット
外断熱の代表的なメリットとして以下の点が挙げられます。
●高い断熱性で室内が快適になる
●高い気密性で計画換気ができる
●高い遮音性で音が気にならない
●壁内結露が発生しづらくなる
●建物自体の耐久性が高くなる
それぞれ順番に解説します。
●高い断熱性で室内が快適になる
外断熱は、建物の構造の外側を断熱材で包み込むように施工するため、冬は暖かく、夏は涼しい快適な室内環境を保ちやすくなります。室内の温度変化を少なくすることができれば、エアコンを高効率で稼働させられるので省エネにつながります。
●高い気密性で計画換気ができる
外断熱は、断熱材と断熱材の継ぎ目を専用の気密テープで塞いでいくため、建物の隙間の総量が少なくなるように施工できます。高い気密性があれば隙間から外気の影響を受けなくなるため、自然給気の換気方式でも計画換気を実現できるようになります。
●高い遮音性で音が気にならない
外断熱は、その工法の特徴から高い遮音性を実現します。外の騒音が侵入しづらいのはもちろん、仮に、室内でお子さまが大声を出したり走り回ったりしても、ほとんど音漏れすることがないので、ご近所のことを気にせず生活することができます。
●壁内結露が発生しづらくなる
外断熱は、柱などの構造が断熱材の内側にあるため、壁の内部が外気の影響を受けづらくなり、壁内結露の発生を抑止します。壁内結露の発生を防げれば、ハウスダストの原因となるカビやダニなどの発生も防げるため、健康な暮らしにつながります。
●建物自体の耐久性が高くなる
木材は、水に濡れると腐食する可能性があり、耐震性の低下などの悪影響を及ぼします。しかし、外断熱は建物の構造の木材が断熱材で包み込むため、雨の影響を受けることがなく、壁内結露の発生も抑止するので、建物自体の耐久性が高くなります。
外断熱のデメリット
反対に、外断熱の代表的なメリットとして以下の点が挙げられます。
●内断熱よりコストが高くなる
●施工が難しく対応業者が少ない
●デザインの制約が多くなる
それぞれ順番に解説します。
●内断熱よりコストが高くなる
外断熱は、内断熱と比較すると選択できる断熱材の選択肢が少なく、断熱材が必要な面積も広くなります。また、工期が長くなる可能性もあるのでコストが高くなります。
●施工が難しく対応業者が少ない
外断熱は、屋根や壁内の構成上、施工の精度を求められる工法のため、施工自体が難しく対応業者が少ないです。会社選びの選択肢が減るのはデメリットと言えるでしょう。
●デザインの制約が多くなる
外断熱は、建物の構造を断熱材で包み込むように施工するため、場合によっては外観のデザインに制約が出ることがあります。また、外壁の選択肢が限られることもあります。
そもそも内断熱とは?
内断熱は、充填断熱工法とも呼ばれ、上の図のように住宅の構造の柱と柱の間に断熱材を埋め込むように施工していく工法です。最大の特徴は、様々な種類の断熱材を使用できることや、施工が簡単でコストを抑えることができることにあります。
工場で大量生産をおこっている大手ハウスメーカーや、低価格を売りにしたいローコストメーカーなど、幅広い住宅会社が内断熱を採用しています。
内断熱のメリットとデメリット
ここでは、内断熱のメリットとデメリットをそれぞれご紹介していきます。
内断熱のメリット
内断熱の代表的なメリットとして以下の点が挙げられます。
●外断熱よりコストが安くなる
●施工が簡単で対応業者が多い
●デザインの制約が少なくなる
それぞれ順番に解説します。
●外断熱よりコストが安くなる
内断熱は、柱と柱の間に断熱材を埋め込むように施工するため、外断熱と比較すると断熱材の選択肢が多く、価格帯も様々なものから採用できます。また、断熱材が必要な面積も狭くすることができるだけでなく、工期も短いのでコストも安くなります。
●施工が簡単で対応業者が多い
内断熱は、施工の工程がシンプルで難しい技術を必要とせず、天候に左右されずに作業することができるため、多くの住宅会社が採用している工法です。対応業者が多ければ選択肢が増えるため、ご自身に合う住宅会社を見つけやすいと言えます。
●デザインの制約が少なくなる
内断熱は、断熱材を埋め込むという施工の特徴から、外断熱と比較すると外観のデザインの自由度が高いです。また、外壁として使用できる種類も多様で、「タイル」「モルタル」「金属系」などから選択できるため、デザインの幅が広がります。
内断熱のデメリット
反対に、内断熱の代表的なデメリットとして以下の点が挙げられます。
●断熱性が低く室温維持が難しい
●気密性が低く計画換気が難しい
●遮音性が低く工夫が必要になる
●壁内結露が発生しやすくなる
●建物自体の耐久性が低くなる
それぞれ順番に解説します。
●断熱性が低く室温維持が難しい
内断熱は、柱と柱の間に断熱材が埋め込まれていますが、柱や梁などには断熱材がないのでそこから熱が移動していきます。そのため、エアコンが稼働している居室は快適でも、洗面や浴室などは外気の影響を受けるため、家全体の室温維持は難しいです。
●気密性が低く計画換気が難しい
内断熱は、施工が不十分なことや経年変化で生じるズレなどにより、柱と断熱材の間に隙間ができるため気密性が低くなります。気密性が低ければ隙間から外気の影響を受けてしまうため、自然給気の換気方式では計画換気をおこなうのは難しいです。
●遮音性が低く工夫が必要になる
内断熱は、構造の外側に「通気層」「外壁」というのが一般的で、外断熱のように断熱材が遮音性に貢献することはありません。そのため、生活音を気にする場合、人が集まるLDKなどは隣接しない位置にするなどの間取りの工夫が必要となります。
●壁内結露が発生しやすくなる
内断熱は、柱や梁などが断熱材の外側に位置するため、冬場の冷気や夏場の熱気の影響を直接受けます。室内と壁内の温度差が大きいと結露が発生し、ハウスダストの原因となるカビやダニが発生するため、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。
●建物自体の耐久性が低くなる
木材は、水に濡れると腐食する可能性があり、耐震性の低下などの悪影響を及ぼします。内断熱は、壁内結露が発生するリスクが非常に高く、結露の水で目に見えない壁の中が弱くなっていきます。そうすると、建物自体の耐久性が低くなります。
付加断熱も登場
最近では、外断熱と内断熱を組み合わせた付加断熱(ダブル断熱と呼ばれることもある)を採用する住宅会社も増えてきています。外断熱の特徴である構造を断熱材で包み込む工法と、内断熱の柱と柱の間に断熱材を埋め込む工法の両方をおこなうものです。
付加断熱にすることで断熱性は大きく向上するため、より快適性や省エネ性を高めることはできますが、施工するコストも外断熱と比較すると大幅に高くなります。
まとめ
本記事では、外断熱と内断熱それぞれの工法の違いや、外断熱と内断熱のメリットとデメリットの違いを解説しました。
外断熱にも内断熱にもメリットとデメリットがありますが、コストが高くなっても快適性や耐久性を求める場合は外断熱、快適性や耐久性よりコストを安くすることを求める場合は内断熱、そのような基準で判断をしていくことになるでしょう。
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