旗竿地に家を建てるのはやめたほうがいいって本当？メリットやデメリットを詳しく解説

土地には様々な形状がありますが、その中には珍しい形状をした「旗竿地」と呼ばれる一般的には敬遠されがちな土地も存在します。しかし、旗竿地にもメリットがあるため、良い土地を逃さないようにするには、ご自身に合うのかという視点で見極めることが大切です。

本記事では、一般的には敬遠されがちな旗竿地が穴場になる理由や、旗竿地に家を建てる場合のメリットやデメリットを解説しておりますので、新築の戸建てを検討中の方はぜひ参考にしてください。

• INDEX

• 1. 旗竿地とは？

• 2. 旗竿地のメリット

• 3. 旗竿地のデメリット

• 4. 旗竿地のチェックポイント

• 5. まとめ

旗竿地とは？

旗竿地とは、道路に接する出入口が細長い通路になっており、奥に家の敷地がある土地のことを言います。土地の形状を上から見ると通路部分が「竿」、敷地部分が「旗」に見えるので「旗竿地」と呼ばれます。

旗竿地は低価格

正方形や長方形などの整形地と比較して、珍しい形をした不整形地の旗竿地は、一般的には敬遠されがちな利用しづらい土地です。しかし、評価額が20%～30%ほど安く固定資産税や相続税も減額されるため、デメリットを解消できればお得な土地と言えます。

旗竿地と接道義務

旗竿地において注意が必要なのは接道義務です。建築基準法の4m以上の道路と接する通路の幅が2m未満の場合は再建築できないため、「竿」に当たる通路の幅は2m以上の確保が必須となります。駐車することが前提なら幅が3m以上あるかを確認しましょう。

旗竿地のメリット

旗竿地の代表的なメリットとして以下の点が挙げられます。

●土地代を抑えられる
●プライバシー性が高い
●アプローチの有効活用

それぞれ順番に解説します。

土地代を抑えられる

旗竿地の最大の魅力は、周囲の整形地と比較して20%～30%ほど安く購入できることです。福岡県では土地価格が高騰しているため、資金計画を見直すことができます。また、建物代に回して住宅設備のアップグレードをおこなうこともできます。

プライバシー性が高い

旗竿地はその形状から、人通りの多い道路沿いであっても人目を隠すことができます。高い目隠しを用意する必要がないため、その分の外構費を削減できるでしょう。また、小さなお子様がいるご家庭では、急な飛び出しを防止できるので安心です。

アプローチの有効活用

旗竿地の竿の部分は、一見すると利用しづらいですが自分だけの通路でもあります。玄関まで距離があることを活かして植栽や照明でアプローチを演出できる楽しみがあります。また、洗濯物などの生活感が見えにくいので外観を保ちやすいです。

旗竿地のデメリット

旗竿地の代表的なデメリットとして以下の点が挙げられます。

●建築費用の割高リスク
●駐車場の動線ストレス
●日当たりや風通しの懸念

それぞれ順番に解説します。

建築費用の割高リスク

旗竿地の建築は、重機が通路を通れるかどうかで考え方が変わります。通路幅が2.5m未満の場合、重機が通れないので手作業で運搬をおこなう小運搬費が上乗せされます。また、水道管・ガス管・電線を引き込む距離が長いほど工事費が掛かります。

駐車場の動線ストレス

旗竿地の場合、通路を駐車スペースとして活用するケースが多いです。しかし、車を2台所有している方にとっては縦列駐車を余儀なくされます。奥の車を出すためには前の車を移動させなければならないため、駐車場の動線がストレスになります。

日当たりや風通しの懸念

旗竿地の旗の部分は、四方を隣家に囲まれていることがほとんどです。そのため、1階部分に直射日光が入りづらくリビングが暗くなりやすいです。また、風の通り道を塞がれると湿気が溜まり、外壁に苔などが生えやすくなるリスクもあります。

旗竿地のチェックポイント

旗竿地を検討する際に必ずチェックしたいポイントは以下の5点です。

●現地で有効な幅員を実測
●水道管の口径と引込状況
●隣家の窓と換気扇の位置
●通路上空の障害物の有無
●再建築不可リスクの確認

それぞれ順番に解説します。

現地で有効な幅員を実測

図面に「通路幅2.5m」と記載されていても現地で通路幅を実測することはとても重要です。その理由は、境界線上にブロック塀があると実際は10cmほど狭くなるためです。また、隣家の給湯器や室外機などが通路側に越境している可能性もあります。

水道管の口径と引込状況

古い家が建っていた土地では水道管の口径が13mmの場合があります。しかし、現代の生活では20mm以上は必要なため、入れ替え工事をおこなわなければなりません。旗竿地では、水道管の設置距離が長くなるので事前に確認しておきましょう。

隣家の窓と換気扇の位置

旗竿地は、四方を隣家に囲まれているケースが多いため、隣家の窓の位置を確認して視線が合わないようにする設計が必要になります。また、見落としがちなものとして匂いがありますので、換気扇の位置も同時に確認しておくと良いでしょう。

通路上空の障害物の有無

通路は地面の幅だけでなく空中の幅も見ておくことをオススメしています。通路上空の低い位置を電線が横切っていたり、隣家の庇や植木が越境している場合、重機が通らないことによる建築費用の割高リスクや、日々の生活のストレス要因になります。

再建築不可リスクの確認

非常に安い旗竿地の中には、現在の法律では「建て替えられない（再建築不可）物件」や「セットバック（敷地を後退して道路を広げる）物件」が混ざっています。価格に惑わされず、法的な制限をクリアしているかプロの目で確認してもらいましょう。

まとめ

本記事では、一般的には敬遠されがちな旗竿地が穴場になる理由や、旗竿地に家を建てる場合のメリットやデメリットを解説しました。

旗竿地はその形状から一般的には敬遠されがちですが、形状によるデメリットをクリアすることができれば、家を建てる際の総額を抑えることができたり、希望のエリアで土地が見つかる可能性を高めてくれる穴場の土地と言うこともできます。

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